ワーク
2020.01.09
聴覚障害があっても、運転手に!運転免許証が取得できます
日常生活で、欠かせない存在にともいえる「車」。しかし、便利であると同時に、大きな危険も伴う機械でもあります。そのため、障害者の免許取得は、難しく思われるかもしれませんが、聴覚障害がある場合においては、必要な手順を踏めば取得することができます。
もくじ
聴覚障害者として免許を取得するかどうかのポイント
運転免許を取得する際には、どの程度の音が聴こえるのか? という検査が行われます。まず、10mの距離で90デシベルの音が聴こえるかどうか。90デシベルというのは、クラクション程度の音で、これを聴くことができれば、運転中の聴覚に関する安全基準は満たされることになります。
この検査では、補聴器を使うこともできるため、補聴器をつけて、10mで90デシベルが聴こえれば、基準はクリアとなります。もし、補聴器を付けたうえで、90デシベルの音が聴こえなかった場合は、聴覚障害と判断されますが、これで運転免許が取れなくなるわけではありません。
90デシベルの音が聴こえなかった場合は、ルームミラーの視野を広げるための、ワイドミラーの装着と、聴覚障害者マークの貼り付けを義務に、運転免許証の取得することができるのです。
免許取得まではみんなと一緒ですが「聴覚障害者マーク」が必要です
聴覚障害がある場合、まずは自動車運転試験場での適性検査を受けることが、運転免許証取得のスタートになります。適性試験に必要なものは、身体障害者手帳や住民票などですが、各都道府県によって異なる場合もあるため、確認が必要です。
上記の10mで90デシベルの音が聴こえるかどうかの適性試験を受けたのち、補聴器やワイドミラーなど、必要な条件が明らかになり、後日警察から、「聴覚障害者標識」(聴覚障害者マーク)が送付されます。
そのあと、適性検査で受け取った文書を持参し、通常の学科、技能の授業、試験過程を修了していく流れです(適性検査結果の文書は、申し込みの際に提出する必要があります)
技能は、指定教習所であれば免除となりますが、学科試験は運転試験会場へ行かなければなりません。学科試験の30分ほど前に、適正相談室に行き、教習所の修了証、仮免許証、適正審査結果文書、などを提出し、最終チェックを受け、問題が無ければ、学科試験を受けることができます。
そして、無事試験に合格すれば、各種説明や写真撮影などを経て、免許証が発行されます。
バスの運転手を目指している方もいます!
個人で利用する車とは違い、タクシーやバスの運転には、「第2種運転免許証」が必要になります。この「第2種運転免許証」の取得ができる条件は、平成28年4月から、「補聴器をつけて一定の聴力があること」と改正され、聴覚障害者の職域拡大が図られました。
幼いころからバスの運転手に憧れていた、聴覚障害者の会社員の男性は、これを機に自動車教習所へ第2種免許の取得過程を申し込みましたが、「第2種免許を取得する聴覚障害者のための教材と体制が整っていない」との理由で、いくつかの教習所から、入所を断られてしまいました。
そこで、関係機関などに現状を訴えたところ、市内の教習所に通うことができるようになり、第2種免許を取得。バスの運転手の夢へ、着実なステップを踏みはじめることができたのです。
聴覚障害者の第2種免許取得は、まだまだ新しい改正のため、実際に就職するには、職場ごとの理解や、配慮が必要かもしれません。しかし、こういった改正が行われたことは、障害者雇用にとって大きな前進と言えるのではないでしょうか?
そのため、バスの運転手だけではなく車を運転する仕事に就こうか悩んでいる方は、前向きに就職活動をすることをお勧めします。まずは、就職活動をするうえで自分を知ることが大切です。参考にしてみてください。