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2020.01.09
障害者枠で働くこととは?就職する前の心がまえとして『自己受容』が大切
記事をご覧になるみなさま、はじめまして。
私は障害を持たれる方の就労を幅広くサポートする仕事をしております。そんな私の仕事から1つみなさまにご紹介したいお話があります。それは障害者枠を活用し就労を考えている方に、『自己受容』の大切さについてのお話です。
もくじ
障害者枠での競争
私は障害者をお持ちの方がクリアーしなければいけないハードルは、一般の方と同じだと思っています。オリンピック競技などと同じく健常者は健常者の中で競争し、障害者は障害者枠という中で競争を強いられます。その中で他者より一歩抜きに出て、就職というゴールを勝ち取らなくてはいけません。
就職後も安定就労を目指すレースは続く
障害を持ちながら社会に出て働くということは、とても不安だと思います。しかし就職後は『職場で安定してお仕事をしていく』というレースに挑み続けなければいけません。この安定就労というレースを続けていくには『強い覚悟』を持つことが、健常者の方よりも大切になってくるのかもしれません。
とても大切な『自己受容』という言葉
『強い覚悟』をどの様に持てばよいのか、どこから湧いてくるものなのか気になると思います。私は『自己受容』にヒントが隠されていると思っています。『自己受容』といっても言葉の意味は曖昧ですね。少し整理します。
意味としては、『自分をありのままに認めること』になります。言葉にすると簡単そうに見えますが、とても難しいことだと思います。また障害を持っていること考え意味を整理しますと、『障害を持っている自分をありのまま認めること』
どうでしょうか。胸を張って「出来てますよ」というには、中々難しいのではないでしょうか。私が面接の立会いをしていますと、出来ていない方のほうが多いように感じます。しかしながらそれが普通なのかもしれません。
面接の場での『自己受容』
先天的に障害をお持ちの方や後発的に発症された方など、障害を発症した時期や特性など人によってそれぞれなのが当たり前です。みなさまは、障害を持っていることをネガティブに捉え、隠したい、開示したくないというお気持ちが強く出てはいませんでしょうか。
そのような状態は先にご紹介した、『障害を持っている自分をありのまま認めること』とは呼べませんよね。この『ありのまま認める』という作業は中々自然と出来ません。
勇気を持ってご自分の心と向き合い、ネガティブな体験や気持ちを整理する必要があります。更に面接の場では他者に説明する勇気も必要になります。少なくとも面接の場では面接担当者に、ご自分の言葉でしっかりとご自身の障害について説明することが大切です。
また一方で履歴書にご自身の障害について整理して書かれていますと、採用側としては『自己受容』が進んでいるなという印象を抱きます。
例えば履歴書とは別に『私の障害について』などとタイトルをつけ、履歴書とは別にA4一枚程度にまとめると、ご自身の気持ちの整理にもなり、説明資料にもなりと一石二鳥かもしれません。
内容の例としては
- ご自分の障害名、一般的な特性、それにご自身が当てはまるのか
- 上記以外のご自身の特徴、配慮事項及びなぜその配慮が必要なのか、
- ご自身で再発しないようにしている工夫
- 服薬状況の変遷
- 周囲のサポート状況
など
上記のような内容を記載のうえ、面接でしっかりとお伝えすることが出来れば、採用になる確率もグンと上がると思います。就職を勝ち取るには『自己受容』しているかどうかに掛かっているといっても過言ではありません。面接官は採用のプロかもしれませんが、障害知識のプロとは限りません。
ご自分を紹介しながら面接官に安心感を与えることも、就職を勝ち取る重要なミッションとなります。
『自己受容』のための第一歩
私も『自己受容』が一朝一夕に出来るとは思いません。しかしながら必要なことには間違いないと経験上自信を持って言えます。中には今までの話の中で「ハードルが高いな」と思われる方もいるかもしれません。
そのような方はご紹介したとおり「私の障害について」書き出してみてはいかがでしょうか。書き出す中でいろいろなものが見えてくるかもしれません。書きづらい箇所が出てきたらそこは『自己受容』がまだ出来ていない箇所かもしれません。
『自己受容』の第一歩はご自身の障害やお気持ちを整理することです。その先に『障害を持っている自分をありのまま認めること』が見えてきます。
私も『自己受容』が完全に出来ているかと問われると。。。
あ~っと、残念!! 時間となってしまいました。
その他にも就労後の『自己受容』や『他者受容』なんていうお話もありますが、
時間となりましたので、この辺で終わりたいと思います。
好評により次回があれば??
就労中に必要な『自己受容』の話や、もう一歩進んで『他者理解』についてお話してまいります。