働くためのコツを知る
ワーク
2025.06.09
特例子会社で働くということ メリットは?働き方は?

特例子会社とは、障害者雇用促進法の中で定められた障害者の雇用方法の一つです。
今回は、
・特例子会社はどんな場所なの?
・一般企業で働くのとどのように違うの?
・特例子会社に向いている人は?
などについて紹介します。
特例子会社とは
特例子会社とは、企業が障害者に特別な配慮をして設立した子会社です。
特例子会社で雇用した障害者は、親会社やグループ企業の障害者雇用率として計算されます。
2024年6月1日時点で、614社(※)の特例子会社があります。
※出典:厚生労働省「特例子会社一覧」
図の出典:厚生労働省「特例子会社制度の概要」
企業が特例子会社を設立する理由
企業が様々な条件を乗り越えて特例子会社を設立する理由は、大きく2つあります。
障害特性に配慮した仕事の確保・職場環境の整備が容易
障害特性に配慮した仕事の確保・職場環境の整備が容易となり、これにより障害者の能力を十分に引き出すことができます。
親会社と異なる労働条件の設定が可能
親会社と異なる労働条件の設定が可能となり、柔軟性が高い雇用管理が可能となります。
柔軟性が高い雇用管理ができるようになることで、職場定着率が高まり、生産性の向上が期待できます。
これまでは企業側の視点から特例子会社について述べました。以降は障害求職者の視点から特例子会社について説明していきます。
特例子会社で働くことのメリット・デメリット
特例子会社で働くことのメリット
障害に配慮された職場環境
特例子会社を設立するには、障害者の雇用管理を適正に行うための能力があることが求められます。
そのため、特例子会社では障害者が働きやすいよう様々な工夫がされています。
例えば、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を有した管理者の配属や、通院や服薬の時間を確保できる制度が導入されています。
企業によって多様な取り組みが行われ、障害がありながらも長期的に働きやすい環境が整えられています。
柔軟な働き方が可能
1点目にもあるように、特例子会社は従業員の障害に合わせて様々な働き方を整備しています。
時短正社員制度を導入するケースや、短時間の就労から始め、だんだんと就労時間を延ばしたりするケースもあります。
企業によって取り組みが異なるため、採用担当に質問したり求人票を確認したりするとよいでしょう。
特例子会社で働くことのデメリット
キャリアの選択肢が狭い
親会社と比較して、管理職のポストが少なかったり、業務の幅が狭かったりします。そのため、キャリアの選択肢は限定的となります。
自己成長の実感が得にくいことがある
特例子会社では障害者の働きやすさを重視して、業務の難易度などが限定的になることがあります。
その結果、「もっと成長したい」「新しいことに挑戦したい」と感じても、物足りなさや停滞感を覚えることがあるかもしれません。
仕事の中で様々な業務を遂行したい方や新しいことに挑戦したい方にとって、特例子会社は最善の選択ではない可能性があります。
一般企業での就労との違い
では特例子会社で働くことと、一般企業で障害者雇用されることはどのような違いがあるのでしょうか。
同僚の多くが障害者
特例子会社では、同僚の多くが障害者となります。一方、一般企業で就労すると、障害のない同僚とともに働くことが想定されます。
どちらにも、メリット・デメリットがあるため、自分がどのように働いていきたいかを考えて選択する必要があります。
特例子会社内でのキャリアの選択肢が限定的な反面、障害特性に配慮した支援が受けやすい
前述した通り、特例子会社では一般企業内での就労と比較して、障害者の働きやすさを重視しています。
そのため、業務の難易度や責任が限定的になることがあります。
しかし、特例子会社では、一般企業以上に障害特性に配慮した支援を受けやすい環境にあります。どちらを重視したいかによって選択が変わります。
どんな人におすすめ?
特例子会社での就労は以下のような希望を持つ方におすすめです。
・安定して就労したい人
・より手厚い支援を受けながら就労したい人
・障害がある仲間と協力して働きたい人
まとめ
特例子会社は、継続的で手厚い支援を求める方が向いている職場です。
一方で自己成長やキャリアの選択肢を拡げたいと考えた場合、特例子会社ではチャンスが少ないかもしれません。
自分がどのように働いていきたいか、どのような配慮を求めるかを考えて、
自分にとって最適な就労場所を探すことが長期的な就労の第一歩となります。