ワーク
2021.12.10
障害者雇用の実態を知って就職活動に生かそう!【身体障害者編】
昨今のダイバーシティー、SDGsによる後押しもあり、企業で働く障害者の活躍が益々期待されています。
障害種別から考えると、最近は、うつ病の増加により、精神障害がメディア等でよく取り上げられていますが、身体障害者も益々の活躍が期待されているのです。
身体障害者枠で就職活動をしている方の中には
・身体障害者の中でも、どんな障害等級や障害種類の方が就職しているのだろう
・身体障害者の就職先はどんな業界や職種が多いのかな
・身体障害者で正社員として働いている割合ってどのくらい?
・身体障害者の賃金はどのくらいが平均なの?
などの悩みがあるのではないでしょうか。
今回は、「厚生労働省 平成30年度障害者雇用実態調査結果」のデータから
身体障害者に絞って、どの障害等級や障害種類の人が、どのような就職先・業界・職種で、どのような労働条件で働いているかをお伝えします。
ぜひ、就職活動の参考にご覧ください。
もくじ
どんな人が就職している?(障害種類、等級など)
①年齢
年齢ごとの割合を示したグラフです。
赤枠で囲ってあるとおり、40歳以上が76.8%を占めていました。
身体障害者は、比較的年齢層の高い方が多く就労していることがわかります。
②身体障害者の障害種類
身体障害者の障害種類別の円グラフです。
1位は「肢体不自由」の42%、次いで「内部障害」が28.1%、「聴覚言語障害」は11.5%の割合になっております。
③障害者手帳の等級
障害者手帳の等級ですが、最も多いのが、「重度(1・2級)」で40.4%です。
そして2番目に多いのが「中度(3・4級)」33.6%、3番目に「軽度(5・6級)」16.2%という割合になっております。
身体障害者の就職先は?(業界、職種など)
①業界別
最も多い業界は「卸売業小売業」が23.1%と第1位でした。
続いて、第2位が「製造業」の19.9%、第3位が「医療福祉」の16.3%、第4位が「サービス業」の14.6%となっています。
②就職先の事業所の規模
就職先の事業所の規模をみると、100人未満が65.9%、そして500人未満が87.5%でした。
いわゆる1,000人以上の大企業に就職している人は7%と少ない結果になっています。
③職業
職業に関しては、「事務的職業」が最も多く32.7%でした。
2番目に多いのが「生産工程の職業」20.4%、3番目は「専門的技術的職業」13.4%でした。
ポイントは
・事務的職業が最も多い
・専門的技術的職業も比較的多い
ことです。
もう少し職業の詳細を知りたい方は、こちらをご覧ください。
参照:厚生労働省編職業分類
労働条件は?(雇用形態、賃金など)
①雇用形態
労働条件の雇用形態ですが、もっとも多いのが「正社員」の49.3%、2番目に多いのは「有期社員」の30.4%、続いて「無期契約の正社員以外」19.9%となっております。
ポイントは
・「正社員」と「無期契約の正社員以外」のいわゆる、無期社員が約70%を占めている
ことです。
ちなみに「無期契約の正社員以外」の雇用形態を知りたい方や正社員で働きたい方はこちらの動画を参考にご覧ください。
「障害者枠で正社員として働くにはどうすればいいの?」
②労働時間
週何時間働いている方が多いのか気になるでしょう。
結果をみると、「通常(30時間以上)」が79.8%と最も多くなっています。
次に、「週20時間以上30時間未満」で働いている方が16.4%、「週20時間未満」が3.4%になっております。
ポイントとして
・雇用形態で正社員や無期契約の正社員以外という方が多かったこともあり、30時間以上や40時間以上のフルタイムの働き方をしている方が多い
ことが挙げられます。
③週所定労働時間別平均賃金
週何十時間以上働いている方が、月収いくらもらっているのかを示したグラフです。
「通常(30時間以上)」働いている人の平均的な月収は248,000円、「20時間以上30時間未満」働いている人の平均的な月収は86,000円、「20時間未満」働いている人の月収は67,000円が平均という形になっております。
統括して、身体障害者の月収の平均は215,000円のようです。
【まとめ】身体障害者の雇用の実態の5つのポイント
最後に身体障害者の雇用の実態のまとめとして、ポイントを5つお伝えします。
① 就労している身体障害者の年齢は比較的高い40歳以上が76.8%
② 平均勤続年数が長く10年2ヶ月というのも特徴(詳細は「参照:厚生労働省 平成30年度障害者雇用実態調査結果)ご覧ください)
③ 「正社員」と「無期契約の正社員以外」で約70%を占めている
④ 労働時間は週30時間以上が79.8%
⑤ 平均賃金が215,000円と他の障害種別と比べると高い
ぜひ、こちらを就職活動の参考にしてください。