ワーク
2021.05.31
自閉症スペクトラム(ASD)の方が就職・転職して長く仕事するために!面接で聞かれる5つのポイントと対策を人事が解説!
自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)は、発達障害のひとつです。
特徴として、言葉の遅れ、会話が成り立たないなど、対人関係(コミュニケーション)が対人関係(コミュニケーション)が苦手な面があります。
また、遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳機能障害で、人口の1%に及んでいるとも言われています。
参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について」
自閉スペクトラム症で就職・転職活動をしている方の中には、
・人間関係が苦手なので職場でうまくやっていけるか不安
・面接時に一方的に話してしまいそうで心配
・独自のルールでやる業務は得意だけど、どんな仕事が合うのかな
などで悩んでいらっしゃるのではないでしょうか?
まず、就職・転職活動をする前に、「できること」「できないこと」を整理することが大切です。
事前に整理しておくことで、入社後のミスマッチによる退職などを防ぐことができます。
また、会社側としても、入社後のミスマッチを防ぐために「できないこと」「できること」は何なのかが最も確認したい項目になります。
今回は、それらを踏まえたうえで、面接で聞かれる5つのポイントと対策をお伝えします。
この5つのポイントと対策を整理することで、ご自身の特性や働く上でのポイントが理解でき、さらに周囲へ正しく伝えられるようになります。
安心して長く働くためにも、しっかりと整理しましょう。
ぜひ、最後までご覧ください。
もくじ
【1】自閉スペクトラム症と診断された経緯
まず、自閉スペクトラム症と診断された経緯を整理しましょう。
・いつ
・どこで
・どんな状況になり
・何が起きて
・通院し
・自閉スペクトラム症と診断されたのか
会社側は、自閉スペクトラム症と診断された経緯を確認します。
しっかりと整理して、伝えられるようにしておきましょう。
【2】どのような特性があるのか
2つ目は、どのような特性があるかです。
自閉スペクトラム症は、大きくわけて「コミュニケーション面」と「独特のこだわり」の特性がある方が多いといわれています。
「コミュニケーション面」の例だと、
・空気を読むのが苦手
・あいまいな表現、感情、冗談をくみ取ることが苦手
などが挙げられます。
一方、「独特のこだわり」の例だと
・独自ルールがある
・法則性を好む
・感覚過敏
などが挙げられます。
しかしながら、人によって特性は様々です。
そのため、実体験から自分の特性を整理して、伝えられるようにしておきましょう。
【3】特性に対しての工夫、対処
3つ目は、【2】の特性に対してどのような工夫や対処をしているかです。
例えば、
・指示の内容はメモに取って、その内容があっているか確認してもらうようにしている
・スケジュールやタスク管理は、●●のツールを使って優先順位づけをしている
・予定外の場面での工夫・対処法は●●をするようにしている
などがあります。
大切なのは、自分自身で考えて工夫や対処ができているかです。
しっかり、整理して伝えられるようにしておきましょう。
実体験をもとに伝えると、さらに効果的です。
【4】働く上で必要な配慮
4つ目は、働く上で必要な配慮です。
企業側は、どのような配慮が必要なのかも、確認します。
・指示方法:どんな方法で指示を受けたら理解できるか
・業務量、業務数:体調、精神面を安定しながら働くにはどの程度まで対応可能か
・業務内容:どんな業務でどの程度の難易度まで対応可能か
・相談しやすい環境:何かあった場合、どのような環境なら報連相できるか
・人間関係:どんな人や場面でストレスを感じ、どんな配慮が必要か など
自分自身が長く安心して働くためにも、しっかり整理して伝えられるようにしておきましょう。
【5】2次障害の有無
5つ目は、2次障害の有無になります。
2次障害とは、自閉スペクトラム症とともに日常生活を送ることによって生じる、うつ、適応障害、不安障害などの合併症状を指します。
企業側は、2次障害が「ある」「ない」を確認することが一般的です。
万が一、確認されなかった場合は、自ら整理して伝えることが長く働くために重要です。
「ない」場合は、「ない」と伝えれば良いのですが、「ある」場合は、
・障害の内容
・症状
・現在の状態
・働くための工夫や対処
・再発の可能性と予防
など
を整理して伝えられるようにしておきましょう。
まとめ
就職・転職活動をする前に、「できること」「できないこと」を整理することが大切です。
今回お伝えした5つのポイントを整理して、面接で伝えられるようにしておきましょう。
【1】 自閉スペクトラム症と診断された経緯
【2】 どのような特性があるのか
【3】 特性に対しての工夫、対処
【4】 働く上で必要な配慮
【5】 2次障害の有無
整理することは、面接だけでなく、安定して長く働くうえでも大切です。
とはいえ、自分一人で整理することは難しいという方も多いでしょう。
そのような方は、障害者雇用の経験豊富な第3者意見を踏まえて、客観的に整理することをオススメします。
就労移行支援などの専門機関も活用することにより、自分一人では気が付くことのできない自分自身が働く上で「特性」「対処」「配慮」が理解できるようになります。