ワーク
2021.05.28
統合失調症の方が就職・復職して働くために!面接で聞かれる4つのポイントと対策を人事が解説!
統合失調症は、幻覚や妄想などの症状が特徴的な精神疾患のことです。約100人に1人がかかる頻度の高い病気ともいわれています。「不治の病」ではなく、多くの方が回復していきます。
就職・転職活動をしている統合失調症の方の中には、
・他者とのコミュニケーションが苦手なため面接で話せるか心配
・働いてから、また症状が悪化しないか不安
・職場ではちゃんと配慮してくれるのだろうか
などで悩んでいるのではないでしょうか?
前提として就職・転職活動をする前に大切なのは、 症状を安定させ、悪化させないことです。
企業が最も知りたい項目も、スキル面より「症状が安定し悪化しないかどうか」です。
体調を崩して就職活動が続けられない・働けない状態になってしまっては本末転倒です。
まずは担当医師に自身の状態について相談し、就業許可を得ましょう。
今回は、それらを踏まえたうえで、面接で聞かれる4つのポイントと対策をお伝えします。
ぜひ、最後までご覧ください。
もくじ
【1】統合失調症と診断された経緯
まず、統合失調症と診断された経緯を整理しましょう。
・いつ
・どこで
・どんな状況になり
・何が起きて
・通院し
・統合失調症と診断されたか
統合失調症の方の中には、主な要因や原因がわからない方もいますが、診断された経緯はよく面接で確認されます。
しっかりと整理して、伝えられるようにしておきましょう。
【2】現在の状態までの経緯
2つ目は、現在の状態までの経緯になります。
・診断当時と現在の状態の違い
・現在の状態に至るまでの経緯
・過去および現在の、陽性症状(幻聴、幻覚など)や陰性症状(意欲、思考力の低下など)の有無
などは確認される可能性があります。
この“現在までの経緯”から、企業側は「今、安定しているのか」「その根拠や理由はあるのか」を確認しています。
しっかり整理して、伝えられるようにしておきましょう。
【3】症状悪化や再発の可能性と対処法
3つ目は、症状悪化や再発の可能性と対処法になります。
企業側は、
・症状悪化や再発しないか
・それはどんな要因で起こるのか
・その前兆はあるのか
・それはどんな前兆なのか
・前兆に気づいて対処できるのか?
など、症状悪化や再発の可能性と対処法を確認します。
症状悪化や再発の可能性と前兆の有無、その対処法を整理して伝えられるようにしましょう。
【4】働く上で必要な配慮
そして最後の4つ目は、働く上で 必要な配慮となります。
会社側はどのような配慮が必要なのか
・指示方法:どんな方法で指示を受けたら理解できるか
・業務量、業務数:体調、精神面を安定しながら働くにはどの程度まで対応可能か
・業務内容:どんな業務でどの程度の難易度まで対応可能か
・相談しやすい環境:何かあった場合、どのような環境なら報連相できるか
・人間関係:どんな人や場面でストレスを感じ、どんな配慮が必要か
など
企業側として、どのような配慮が必要なのかも、確認します。
自分自身が長く安心して働くためにも、しっかり整理して伝えられるようにしておきましょう。
まとめ
統合失調症の方が働くことにおいて最も大切なのは、症状を安定させ、悪化させないことです。
そのためには、今回お伝えした4つのポイントを整理して、面接で伝えられるようにしておきましょう。
1.診断された経緯
2.現在の状態に至るまでの経緯
3.症状悪化や再発の可能性と対処法
4.働く上で必要な配慮
また、実際に働いてからも、
・自分にとって無理のない範囲で働く
・身体・精神面について、しっかりと担当医師に相談する
を意識することが長く働く上で大切になります。
とはいえ、自分一人で整理することは難しいという方も多いでしょう。
そのような方は、障害者雇用の経験豊富な第3者意見を踏まえて、客観的に整理することをオススメします。
就労移行支援などの専門機関も活用することにより、自分一人では気が付くことのできない自分自身が働く上で「特性」「対処」「配慮」が理解できるようになります。